代表の想い
代表の池口 純と申します。

想い
“古民家の価値を高め、
職人の技術と文化を未来へ残すこと”
私は兵庫県豊岡市の生まれで、これまでグループ会社「里やま工房」で現場監督として働いてまいりました。
私は昔から木造古民家が大好きで、再生工事の現場では、傷みの激しい建物を職人と相談しながら一つひとつ直していく仕事に、大きなやりがいを感じていました。
その一方で、人口減少が進む地方においても農地造成が行われ、地域性を感じない無国籍な新築住宅が次々と建てられていく現状に、強い違和感を抱いていました。
これは今から15年ほど前のことです。
「このまま価値ある建物が使われなくなっていくのを放っておけない」
そんな危機感から、自分自身も本格的に設計を学び、古民家再生に真剣に向き合うようになりました。
グループ会社では、地域を限定し、クライアントと丁寧に向き合いながら設計施工を行うスタイルを大切にしており、それは今後も変えるべきではないと考えていました。
しかし同時に、全国で増え続ける空き家の問題も見過ごすことができませんでした。


そしてもう一つ、大きな課題が「職人不足」です。
これまでグループ会社では、大工を含め職人はすべて外部へ依頼していました。
しかし近年、現場職人を志す若者は減少し、将来的には「仕事はあるのに施工する職人がいない」という状況になる危機感を抱いていました。
特に古民家再生は、新築以上に高い技術力が求められます。
古民家は、建物自体が真っ直ぐでなかったり、水平でなかったり、正方形でないことも珍しくありません。さらに、解体して初めて分かる問題も多くあります。
弊社では無垢材を使用し、本質的な再生を行うため、現場では高い施工技術と判断力が必要です。
だからこそ、この技術を次世代へ残さなければならないと考えました。


空き家再生といっても、最初から大きな事業ができるわけではありません。
地域に残る古民家の多くは、その土地の木材を使って建てられています。つまり、国産材100%とも言える建物です。木製建具についても同じことが言えます。
これらを再生し、再び人に住んでいただくためには、地方へ人を呼び込む必要がある。
そう考え、まずはそこから始めようと事業計画を作り始めました。
2015年、家族とともに出石へ移住。
そして2017年3月、将来を見据え、グループ会社とは別法人として「エス・ビレッジ」を設立しました。
当時住んでいた借家の大家さんにお願いし、本社登記をさせていただき、一人でのスタートでした。
最初は大きな事業はできませんでした。
まずは地元・豊岡市をPRしようと、ご当地ゆるキャラを載せたバギーカートによるラジコンイベントを企画し、毎週各地のイベントへ出店していました。
設立2年目には、初めて空き家再生の店舗工事を設計施工。
3年目にはホームページを開設し、大工職人と建具職人が入社。それぞれの自社工場も整備しました。
木工事業部では、建具製作だけでなく、古い建具のリペアも行っています。
現在の建築業界では、メーカー製品が主流となり、街の建具屋の仕事は激減しています。
廃業される事業者も少なくありません。
しかし、古民家再生において建具の再生は欠かせないものです。
この素晴らしい手仕事の文化も、何としてでも残していきたい。
その想いから木工事業部を立ち上げました。
また、会社設立時の事業計画には、「10年後に海外進出する」という大きな目標も掲げていました。
古民家再生の現場では、高い技術力を持つ大工や建具職人が活躍しています。
しかし、その価値が社会的に十分評価されているとは言えません。
この状況を変えるためには、海外で実績を作り、日本の木造建築や職人技術を正当に評価してもらう必要がある。
そう考え、日本の木の家づくりを海外へ発信し、評価を逆輸入する挑戦を決意しました。


特に「古いものに価値を見出す文化」を持つヨーロッパを目標とし、その第一歩としてフランス向けECサイト「Héritage Kominka」も立ち上げています。
(現在はドイツ向けECサイト「Héritage Kominka」もあります)
現在は、古民家で使われていた古建具をリメイクし、レジン加工を施した「アートボード」を開発。
インテリアだけでなく、レストランの食材プレートとしても活用いただいております。
このアートボードを海外展開の入口商品とし、日本の古民家文化を世界へ発信していきたいと考えています。
そして最終的には、現地で建築デザインや施工まで手掛けられる存在になることを目標としています。
エス・ビレッジの建築工事は、エリアを限定せず全国対応しております。
また、事業の多角化も掲げており、今後も積極的に異業種へ挑戦していく予定です。
すべては、日本の古民家の価値向上と、職人の地位向上のため。
地方で一人から始めた工務店が、ヨーロッパで建築実績を持ち、日本と海外をつなぐ架け橋となる。
その挑戦が、全国に点在する古民家の価値を高め、日本の文化的価値そのものを高めることにつながると信じています。
エス・ビレッジは、これまで光が当たりにくかった仕事や技術を、必ず価値あるものへ変えていきます。
世界へ挑戦するエス・ビレッジを、どうぞよろしくお願いいたします。
